2021年01月20日

製造できぬものに、消費する力は残るのか?

皆様、Tシャツの適正価格っていくらだと思いますか?
1,500円? 3,000円??
5,000円までいくと、結構お高めの良いTシャツだなって思う人も多いですよね、きっと。
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ただ、皆さんがそのTシャツを作るとしたらいくらかかるでしょうか・・・
布の代金、ミシンの減価償却費、作っている間の人件費を加味したら・・・
5,000円でも安いですよね。
8,000円? 10,000円??

なぜ、こんなに安くできるのか。
発展途上国の安価な人件費などが背景にあると言われますよね。


人件費の差とは、つまり物価の差ですが、
事実として知っていても、(私も含め)実感としては分かっていない人も多いこと。
戦後〜高度経済成長期には、私達日本も「安価な人件費を武器として」世界に進出したのです。
そして、我々が先進国の仲間入りを果たし、それどころかアメリカの中心部の土地でさえ買い占めた後、バブルは崩壊。

そして次に、安価な人件費を武器に台頭してきたのが、中国でした。
その中国も発展を迎え、国勢からも不透明な状況ではありますが、イギリスの調査研究機関が発表した、2028年には名目GDPで中国がアメリカを抜くという予測もあります。


それもあって今、「安価」というレベルで人件費を考えるには、中国ではちょっと苦しくて、東南アジアのベトナムやカンボジア。
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日本→中国→東南アジア諸国という「安価な人件費」の推移は、国力の発展過程にも重なります。
現在、安価な人件費で製造をお願いできている、それらの国々も発展してきた場合、我々は、東南アジアの次は、アフリカ・・・と、どんどん安い人件費を求めてさまようのでしょうか?

また、そのような彷徨える日本人になった時に、日本のモノづくりは、製造業はどうなってしまうのでしょうか?
製造のできぬものに、消費をする力は残っているのでしょうか?



私は、産み出すという意味を持ったモノづくりがとても好きですし、製造業なしには、どうやっても世界は成り立ちません。
未来につながるITなどの産業も素晴らしいですが、愚直にモノを創り出す能力も、我が国は失わずにいてくれたらなと思います。

製造業の従事者が、幸せに生きていけるためにも、安売りをしない、自分の個性で物を売る「尖り型マーケティング」を進めていければと思います。

※昨日の投稿、テーマが2つになってしまい分かりにくかったので分割しました。
posted by 秋田舞美 at 06:00| Comment(0) |  3−1.◎秋田流マーケ思考
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