2021年01月21日

適正価格とは?? 〇〇を営める価格

皆さん、牛丼の適正価格って、いくらだと思いますか?

2021年1月の牛丼の値段は、
●吉野家 352円(税抜)
●すき家 350円(税込)
●松屋(牛めし) 320円(税込)
●松屋(プレミアム牛めし 380円(税込))※2
※順不同、全てHPから
※2松屋の牛めしとプレミアム牛めしは併売しておらず、関東近辺の店舗ではプレミアム牛めしのみの販売
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この価格水準が染みついてしまっているので、町の定食屋さんが800円、1,000円で牛丼を出すのを、なんとなく高いなと感じてしまいますよね。

ただ、飲食業界での原価は、一般的に3割付近と言われています。
350円で牛丼を出すには、原価(ここでは≒材料費)は105ちょっと。
原価.png


多分、一個人の経営形態では無理ですよね・・・


大手牛丼チェーン店の価格は
●大量(大ロット)の仕入による安価な材料
 (海外からの直接買い付け含む)
●学生バイトなど安価な人件費の活用
●好立地と高い回転率
●徹底的な業務効率化
(食券などのシステムの他、提供までの秒数や1つ1つの調理器具までも徹底的に追及)

により、なりたっているのです。



これと同じ水準の価格で勝負して提供することすらかなり厳しいのに、家族経営であっても、店主(経営者)が暮らしていけるだけの賃金を捻出することは不可能に近いと思います。

私はマーケティングのコンサルタントなので、解消すべき課題はまず「売れない」ことではあるのですが、売れないよりも厄介なのが、「売れてるにも関わらず貧しいことだったりします。
市場が定めた適正価格に振り回されているのであれば、「売れているのに貧しい」状況になることは否めません。


そして、経営者の賃金は社会保障費を加味する必要もある上に、賃金の上昇なく、それが一生続くもの。
つまり、例えば、最もお金がかかる子供の教育期間を乗り越えるだけの収入を確保する必要があります。

消費者の皆さん、こう考えると・・・
経営が成り立つという意味での適正価格って、市場の平均価格と比べてどうでしょうか?



本来あるべき姿という意味での「適正価格」とは、勤勉に働き努力すれば、経営者(家族経営の八百屋さん、定食屋さんも含めて)が、一般的な社会生活が営めるレベルの収入を得られる価格帯だと思っています。


硬い言葉で単純に言えば、売上主義から利益主義への転換。
ですが、そういう数値管理手法以上の意味を、この問題は孕んでいると思います。


私がこう主張するのは、中小企業のコンサルタントとして、消費者よりも中小企業経営者の味方だから・・・ではなく、近いうちに詳述しますが、消費者とは、福祉による税金を介す場合を含めて、何らかの賃金を直接、または間接的に享受するものだからです。

賃金を得る手法を確立せずに、国力の回復はありませんし、消費者である国民の幸せもありません。



値決めは経営です!
価格による勝負ではなく、企業の特徴・個性(尖り)を前面に押し出したマーケティングで、
安売ではなく、高売りできる企業になりましょう。
そして、それは日本や世界の発展にも寄与するものになります。

マーケティングの心構えとともに、尖り型マーケティングについて、少しずつ記載していきますね!


※昨日の記事、テーマが2つになっており分かりにくかったので、2つの記事に分割いたしました。
posted by 秋田舞美 at 05:53| Comment(0) |  3−1.◎秋田流マーケ思考
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