&
一年ほど前の話になるのですが、失礼!
昨年(2020年)3月初旬、中国ではコロナが蔓延し、コロナの影響が日本でも拡大していたころ。
5月オープン予定だったあるレストランの新規オープンが延期になりました。
オリンピック前にオープンさせたかったのに、ガッカリする皆様。
(この時点では、オリンピックは中止決定しておらず)
理由は、このレストランに不可欠な特注のテーブルが届かないから。
というのも、そのテーブルは中国で原材料確保・かなりの部分までの加工をしていたようで。
コロナによる影響で、中国からものが入ってこなくなっちゃったんですね。

別に中国で作ること自体が悪いことではないんですが、このメーカー「日本製」を売りにしていて、そのレストランが多少高くてもこのメーカーに決めたのは「日本製」だったからなんです。
ちなみに、こちらの企業、皆様も名前を知っている大手メーカーです!
※事例を変えさせていただいたので、家具メーカーではありません。
※以下、分かりにくい&事実を誤認させる表現があったため、追記・修正してあります。
これ、詐欺でも何でもなく、「日本製」の定義が曖昧だから。
景品表示法の
原産国:商品の内容について実質的な変更をもらたす行為(実質的変更行為)が行われた場所
とはなっていますが、
〇実質的変更行為というものが明確ではない
〇産地偽装等の明確な違反以外での措置命令(罰則)に積極的ではない※
こともあり、明確な線引きがされていない状態になってしまっていると言えます。
※参考:消費者庁HP(執行状況2020年度)
こう書くと、とても不誠実なことのように聞こえますが、工業製品ですと、ネジ一本まで全て日本の原材料&加工で作るのって現実的なことではないので、ある程度妥当なことでして。
問題は、法的に示された日本製の定義と、一般的な感覚としての日本製という言葉が乖離しているかどうかです。
ですので、例えばマスクの加工で言いますと、個人的には「布からマスク」への「実質的な変更をもらたす行為(=原産国を分ける分岐点)」は、「縫製」ではないかと思います。

日本での作業 中国での作業 として
>>>>>>>>>>>>>>>>
原材料(不織布)→裁断→プリーツ加工→縫製→紐づけ
=中国製
原材料(不織布)→裁断→プリーツ加工→縫製→紐づけ
=日本製
>>>>>>>>>>>>>>>>>>
また、悪質な企業になると、最終工程だけ日本で行えば日本製という理解をしている企業さえ存在します。
>>>>>>>>>>>>>
原材料(不織布)→裁断→プリーツ加工→縫製→紐づけ
=日本製?
>>>>>>>>>>>>>
マスクでの事例

特に、
マスクのように
A工程→B工程→C工程と、
一工程ずつ進捗しているものであれば分かりやすいですが、
〇部品A組立
〇部品B組立
〇部品C組立
→他国で製造
〇A、B、Cの統合
→日本で作業
の場合、「ABC統合」が「実質的な変更をもらたす行為」となって、日本製と表記される可能性が高いです。
合体ロボで行ったら、頭、手、足、胴体は他国でくみ上げて、最後のロボにする工程だけ国内で行えば、日本製と表記される可能性が高いということです。
日本製の製品を選ぶのも選ばないのも自由ですが、「日本製=全工程を日本で作っている」のでは決してないことを、選択のための情報材料の一つにしてくださいね♪
そして日本人は「日本製」「国産」が好きなので、それをマーケティング的に使うため、製品の完成だけを日本で行っている企業が、残念ながら少数あることを覚えておいてください。
※私、2日ほど間違って7時公開にしていましたが、毎日6時公開のつもりです。