2021年01月29日

希少性か、存在感か

松阪牛&夕張メロンから着想を得た記載3日目。
同じ話題が長引いてスミマセン・・・
実は、単にこの情報を記載したかっただけなのですが、なるべく正確に記載しようと思ったばかりに、全三回の投稿になってしまいました。

過去投稿
〇松阪市に足を踏み入れたことのない、松阪牛
〇産地の夕張メロン、品質管理の松阪牛

本日は個別の事例というよりも、ブランディングのお話なのですが、分かりやすくするために、再度、地名との関係のみを整理します!
●夕張メロン:夕張市のみ
●松阪牛:松阪市だけでなく、周辺旧22市町村


人間、何か利権があると独り占めしたくなるものですし、
「ブランディング=希少性を上げていくこと=数を絞る」という側面がもありますので、なるべく主体を絞ったほうが良いと思われるかもしれません。

ただ、そのようなブランディングは一側面としては正しく、ブランドの確立には希少性も大切ですが、そもそもブランドが確立されていなければ、ブランドの存在感がなければどうしようもありません。

素敵なブランドだと思うから希少性が価値を持つのであって、
「なんじゃそれ??」みたいなブランドが数を絞ろうが、誰も見向きもしませんよね。


ですので、競合がいる場合、同じブランディングでも、2つの異なるアプローチがあります。
●他社を排他することによる希少性
●仲間を増やすことによる市場での存在感

どちらに、どこまで重きを置いていくかです。


希少性を高めるブランディングだけではなく、流通量を増加させることで、業界全体の市場シェアを増やしていく、業界ブランディングも重要なのです。



北海道で、花畑牧場が生キャラメルを発売してヒットした際、
「生キャラメルの元祖はノースプレインファームなのに!」という声が上がり、消費者の中には花畑牧場に対して、マイナスの感情を発信する方もいました。
けれど、「生キャラメル」が全国区になったことにより、元祖生キャラメル ノースプレインファームの知名度も、格段にアップしたんですね。


ノースプレインファーム様HP 生キャラメルへの想い
生キャラメル.png


当時の二社の関係性は分かりませんし、相談して手を組んでブランディングをしたわけではないでしょうが、
「生キャラメルを作っている会社」が「生キャラメルをつくっている会社」を競合としてみるよりも、

「生キャラメルを作っている会社同士」が「全国のお菓子メーカー」をライバルとして、お菓子業界での生キャラメルの存在感を増していく、というほうが生キャラメル業界全体の利益になるのです。

ノースプレインファーム様 生キャラメル 販売サイト(数量限定)


スケートで浅田真央ちゃんが活躍すればフィギュアスケート人口が増え、
石川遼君が活躍すれば、ゴルフ人口が増える。

良いライバルが活躍することは、業界躍進のチャンスなのです。



競合を周辺市町村とは見ずに全国の牛肉をライバルとして見て、松阪周辺市町村一丸となってブランディングに取組んでいると考えれば、良い取組みと見えてきますよね♪


ただ・・・
松阪市があるので、松阪市外でも生産地区ならOKというところだけ切り取って伝わってしまうと、せっかくきちんとブランディングしているイメージがマイナスになりかねないので、
埼玉県とさいたま市もあることですし、旧22市町村を「松阪地区」とする何らかの行政判断をしてもらえば、このあたりの誠実性もクリアできるかもですね(笑)
 ↑適当(笑)



希少性と市場の存在感、どちらに焦点を当てた戦略を行っていくかは、
 ・元からある知名度
 ・主体である団体(企業)の規模
 ・現在の市場シェア
 ・市場全体規模の大きさ(伸びられるポテンシャル)
等々ありますので、どちらの戦略が良くて、どちらが間違っているとは言えません。

夕張メロンのように、すでに知名度を獲得している状態であれば、希少性を売りにするほうが合理的でしょうし。



ただ、
私の考える理想的なマーケティングは、
一社の利益だけではなく、
  適切な業界拡大に貢献し、
    日本の景気向上にも寄与する
マーケティング
ですので、

●実質的な品質を重視した管理
●周辺市町村の利益を排他しない


松阪牛の取組みは、私としては好きです。
嫌な書き方をしてごめんなさい!


そして松阪牛も、夕張メロンも大好きです♪
posted by 秋田舞美 at 06:00| Comment(0) |  3−1.◎秋田流マーケ思考
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