アマチュアのほうが、値段設定が強気??というネタです。
■原価が小さい業種の価格設定
原価を積み上げていくことで売価の目安が見えてくる業種と違い、技術料・人件費が主となる業種って、本当に料金が水物。
ピンからキリまでありますよね。
私が職業としている講演だって、
・3万円
・30万円
・300万円オーバー
と、どの価格帯だってありえるかと思います。
で、講演とかは専門性が高かったり、知名度が関係したりするので、やはりプロ優位なんですが、
最近はネットでの受注もできますので、アマチュアの方(技術レベルではなく、ほかに本業を持っているという意味です)でも、副業として活躍されている方、たくさんいらっしゃいますよね。
特に、
・ライターさん
・デザイナーさん
・フォトグラファーさん
などのフリーランスのかたがた。

そして、最近、複数のアマチュアの方(私と同業種ではない)が、
「プロの〇〇さんの値段が安すぎる!」
と話題にしているのを目にしまして。
そう感じるのも当然なんだろなぁと思いました。
根本の原因は、消費者が思う適正価格が安すぎるということ。
(過去投稿 「適正価格って?」)
そして、適正価格が安すぎるということベースにして、プロとアマチュアでは、稼がなきゃいけない金額、必要とする売上高が違うからなんです。
週に1回 月4件入ればいいアマチュア。
月に50件受注を取らなければいけないプロ。
月4件とれればいいアマチュアのほうが、強気な価格設定になるのは、当たり前なんです。
同じ仕事をしていて、プロのほうが経験豊富でクオリティ高いのにおかしくない!?と思われるかもしれませんが、多くの業務量を確保するには、値段の安い層の仕事も受けなければいけないということになります。
需要と供給の関係で、供給量が過大になっているのと同じ現象ですね。
■価格決定プロセスの差
ちょっと違いますが、有名経営者さんの講演。
講師業としては本業じゃないのでこれもアマチュアとさせていただきますと、彼らはスタンスによって価格帯を設定しています。
〇自社のPRや社会的意義からかなり安価
〇本業を邪魔されたくないから高価
(講演はあまり積極的に受けたくない)
ですので、必要売上・必要利益から金額設定をしているプロ・講演を本業と認識している人間とは、価格決定プロセスが全く異なるのです。
※ちなみに、私はメイン業務はマーケティング・コンサルですが、講演は本業として利益感覚で価格設定しております。
また極端な例で言いますと、旦那さんのお金で生活しているマダムが、自宅を改装してエステサロンを開業。
コース設定は4万円〜5万円。
こういうお店って、案外あるんですよね。

お客様は月に数人。
それでも、むしろ特別感があっていいんです。
経営的に開業をした当初は、数か月売上が立たなくても問題ないのです。
一方、それで生計をたてるために頑張ってます!という独身女性・シングルマザーが、5万円のコース設定をするには、
・5万円に見合うだけの投資・コスト増
(施術スペースの雰囲気=建物の家賃の高額化等)
・短期間で黒字化しなければいけないスピード感
・5万円払える顧客を十分な量確保しなければいけないノルマ
と、資金力のない個人には、なかなかに厳しい戦いになります!
リスクを負っている人間と、負っていない人間では、
〇稼がなければいけない深刻度
〇最低限必要とする売上金額
が、違うんです。
ですので、
・実名(またはビジネスネーム)を公開して受注
・指名で仕事がくるクオリティ
のアマチュアさんは、プロよりむしろ価格設定が強気なんだろうなと思います。
■安価なアマチュア例
あと、これとは真逆に、リスクを追っていないからこそ、バイト感覚で安価でお仕事をしている事例もあります。
最近は、仕事を依頼したい企業と、仕事を受注したい個人を結びつけるマッチングサイトも豊富ですので、自分でHPを設けたりして集客するほどではなくても、割のいいバイト感覚で、お仕事ができたりします。
〇ココナラ

チラシ、ロゴ、HP、ライティング 等々
(発注者と受注者が会うのはNG)
プロジェクト・作業単位の価格設定
〇タイムチケット

写真撮影、料理教室、通訳 等々
時間単位の価格設定
また、引退されたアーリーシニアが、人生の楽しみもかねてお仕事をされている、能力も高く金額も安いケースもありますよね。
中小企業診断士業界にも、「年金診断士」という言葉があります。
私は業務的にあまり競合となりませんが、メインとして行っている業務がバッティングしたら、現役には脅威!(笑)
企業さんにメリットもありますので、公共性・ボランティア性の高い業務など、現役とは何らかの役割分担ができるといいですよね。
■価格帯
ですので、「技術・能力」+「知名度・ブランディング」で価格決定権を自ら持っているハイランクのプロ以外は、下記のような価格帯になっているのが現状ではないかと思います。
〇高価格帯(強きなアマチュア)
〇消費者が考える適正価格※(プロ)
〇格安価格(バイト感覚のアマチュア)
※「消費者が考える適正価格」=「販売側からしたら厳しい(安すぎる)価格」ということも少なくなりと思います。
■まとめ:価格と尖り
今日の投稿で私が伝えたかった一番のことは、「アマチュアはいいよね〜」、「プロは大変だよね〜」ということではなく、様々な業界の適正価格水準を上げていきたい!ということなんです。

私が、尖り型マーケティングで目指しているのは、強すぎる消費者主義からの脱却。
顧客と企業のバランスを適正化して、もっと企業に主体性を持たせることです。
そして、過剰な安売りに悩まされることなく企業が伸び伸びと業務を行うことで、真に提供すべきサービスに注力し、結果として顧客満足度を上げていくことです。
ですので、少なくとも「強気なアマチュア」が設定している価格帯、つまり能力を供給するかたから見た「適正価格」まで、業界価格を引き上げていくことが目標になります。
高い価格でも、消費者が魅力的に感じ、満足してお金を払っていくような尖りのある企業を、少しでも増やしていく。
今後も、そんなお手伝いをしていきたいなと思っております。
明日のブログは、そういうように、尖り型マーケティングの目指す姿について、記載してみますね。
※やはり、予約投稿が投稿されていませんでしたー!
6時予定のアップが遅れてしまい、申し訳ないです。
ちょっと四苦八苦してみます。。。