2021年02月27日

都合のいい企業から、選ばれる企業に

前回、「尖り」とは企業の特徴・個性であり、良否の観点からの「強み」との違いを説明いたしました。

私の仕事はマーケティングですが、それは「短期的に何かを売れるようにすること」ではなく、企業が自発的自立的に発展していけるように販売面からお手伝いすることです。


「尖り」を考慮していくことは売上の面からもプラスの影響があることはもちろんです。
ただ、尖り型のマーケティングをするということは、企業にとって「売れる」だけではなく、いえ、むしろ「売れる」ことよりももっと大きいメリットがあるのです。

尖り型マーケティングは、強みの積み重ねではなく、「尖り」を作っていくものもなのですが、これはPRをするために目立とうという短期的なものではなく、
企業にマーケティングの主体性を取り戻そうというものなのです。



■消費者目線を止めよう!
消費者目線というのは、とても大切なものです。
しかし、それに振り回されてしまっていれば、消費者にとって都合のいい企業にはなれても、ファンになってもらえる企業にはなれません。


恋愛においても、恋愛対象にはならないけど、呼べばすぐ来るアッシー君、ご飯を奢ってくれるメッシーくん、プレゼントをくれるミツグくん。
(言葉が古いですね。笑)
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この人たちは、「都合のいい男」にはなれても、「彼氏」に昇格できるか、少なくともラブラブで女性が夢中になる男性になれるかは、微妙ですよね。

女性だって、尽くして尽くして、お付き合いもしてないのにセフレになってくれる都合の良い女にされてしまうかもしれません。
(表現が汚くてスミマセン)


相手の要求に盲目的に従う。
恋愛市場においても、実際の販売市場においても、そんな人・企業は魅力的には写らない。
単なる都合の良い人、都合の良い企業になってしまうのです。



■強みの積み重ねではファンはできない
A商事がカップラーメンを開発したとしましょう。
スーパーでカップ麺は100円で売っていたので、A商事は90円でカップラーメンを販売することにしました。

お客さんは、A商事のカップ麺を購入するようになりました。

すると、ライバルのA会社が85円でカップ麺を発売し、対抗してきました!
負けていられないので、秋田商事は80円でカップ麺を販売することにしました。
・・・
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競合が努力をしないのであれば、強みを重ねていくことで、競争に勝つことができます。
けれど、競合相手も努力をし続ける以上、誰もが求める価値である、「早い」「安い」「うまい(原価が高い)」といった強みを積み重ねていくマーケティングでは、限界がくるのです。


お客様「もっと安くしてほしい」「もっと美味しくしてほしい」といった要望にこたえ続けていくと、販売価格は安くなり、原価は高くなる。
つまり、強みを積み重ねようとすれば、企業の経営は厳しくなる。


にも関わらず、価格だけで勝負していては、A商事カップ麺は安いから購入されているだけ。
いつまでたってもファンはできないのです!

経営的にツラい、しかも常に追い抜かされる恐怖にさらされる、なのにファンができない
こんな負のスパイラルの入ってしまうのです。



■どんなカップ麺が売れるか?
そういった強みの積み重ねによる恐ろしい競争から抜け出そうというのが、強みではなく企業の個性である「尖り」にスポットを当てた、尖り型マーケティングです。

例えばですが、実はA商事は香辛料の輸入もしていて、かなりのノウハウを持っていました。
ですので、カレー・カップ麺、しかも現在販売されるような「日本のカレー」のカップ麺ではなく、「本場インドカレーのカレー・カップ麺」を作ってみようと思いました。


インドに通い、インドカレーをカップ麺に合うようにどうアレンジしたらいいかと考えました。
そして、ついに完成!

印度風のカレーという、これまでにないコンセプトでカレー・カップ麺を作り、世の中に販売したところ、他にライバルはいないので、売上を大きく伸ばすことができました。
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そんなうまくいかないよと思われるかもしれません。笑
現実が甘くないのも事実です。

けれど、実はもう一つ尖り型マーケティングの成功ポイントがあるんです。
ポイントは、中小企業の商品販売の場合、一般的に言う大ヒットではなくてもいいのです!


これが、名だたる大手企業だったら数千億円販売しなければ、ヒットとは言えません。
数億円の販売じゃ、広告宣伝費も回収できません。
しかし、現在の売上が30億円の企業だったら、5億円販売できれば企業的には大ヒットなのです。


一般消費者誰もが好まなくても、知っている人が少数でもいい。
ただ、マニアには大人気な製品を作る。
ターゲットの母集団を減らしていく。
その変わり、その商品がまぁまぁ好きな多数の消費者ではなく、その企業の製品が大好きな少数のファンを創り出していくこと。

これが、尖り型マーケティングなのです。



■都合のいい企業から、選ばれる企業へ
このように、他社の真似をして、強みを積み重ね、ツラい思いをしながらもファンができないという、負のスパイラルから脱しませんか?
少数でもいいのでファンを作ろう、というのが尖り型マーケティングです。
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【企業が尖り型マーケティングをするメリット】
〇好きなこと・得意なことを突き詰めて仕事ができる
〇どうでもいい企業から、選ばれる企業になる
〇安売ではなく高売して、適正価格を確保する


今回は、単純に商品について尖りを持った「製品」として説明しましたが、

一年分の売上が一週間で!
若手出張修理専門集団と「修理」にスポットを当て、他社とは違う「尖り」とした機械の卸売商社。

売上が5倍以上に!
「女性目線」を尖りにした建設業
※企業さんのことあまり記載していない過去投稿ですが、中小企業庁長官賞の題材とさせていただいたこちらの企業さんです


と、尖りを使ったマーケティングで、結果を出している企業も多くあります。
企業を幸せにする。
それが尖り型マーケティングの本質なのです。


さらに言えば、私の目標は、尖り型マーケティングが社会的メリットももたらすことです。
明日は、それを記載していきますね!


■ご参考(過去投稿):尖り型マーケティングについての説明
1「尖りって何?

2「尖り発見秘話
  (埋もれないということ:旅館の例)

3「強みによる情報氾濫
  (強みの弊害:ピザ屋さんの例)

4「尖り型マーケティングが活きる事例

※1を読んでいただければ、最後に次のリンクを載せるようにしています
posted by 秋田舞美 at 06:11| Comment(0) |  3−1.◎秋田流マーケ思考
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