ただコンサルタントは、永遠に企業の顧問であることはできません。
契約関係ですから、業務が終了することもあることでしょうし、
人生のステージが変わることもある。
極端なことを言えば、例え、双方に関係を継続させる意思はあっても、
寿命や仕事からの引退はどうしようもありません。
■自分が抜けても困らぬように
同じ士業でも、税理士業務は企業の活動に不可欠と言える業務であり、税理士が引退したら、次の税理士を探すことになるかと思います。
どんなに優秀な税理士でも、どんなに相性のいい税理士でも、必要業務である以上、代わりの方を見つけるということになります。
一方、中小企業にとって、外部のマーケティング・コンサルタント業務は、必須の業務ではありません。
金銭をいただいて仕事をしている以上、私自身間違いなく価値は生み出し続けていると自負しておりますし、
私のことを、掛け替えのない存在と感じてくださるのでしたら、嬉しいことこの上ありません。
ただ、私の使命は、私が価値を生み出し続けること、私でなければ価値を生み出せないことではなく、
自分が抜けても企業が回る状態に、企業自体を成長させることです。
私がいなくてもマーケティングについて戦略を立てられる状態にすること。
自立して取り組める企業にすることが、そこを目指すのが私の業務です。

■少なくともマイナスを残さぬよう
さすがに、金銭をいただいてお仕事をしている以上、私が抜けることで影響がないということはないと思います。
私がそれまで行っていた、マーケティングの進展は滞ることがあるでしょう。
ただし進展の停滞は、それまで私が与えてきたプラスの価値の減少。
つまり、私が関与する前から比べれば、最悪でも(企業の成長がない場合でも)ゼロに戻るというものです。
しかし、企業が私に依存してしまえば、
私がいることで、企業の能力が下がるのであれば、
私が抜けた後、私が関与する前と比べて、大きなマイナスを残していくことになります。

私がもし、一般的な企業であれば、
相手(コンサルであれば顧問先)にとって、自社が「いなければ困る存在」になるということは、事業の成功と言えます。
けれど、コンサルは個人の能力に寄るところが大きく、個人は企業と違って永続はできません。
自分との別離が、顧問先にとっての危機とならぬように、考えて行動せねばなりません。
■まとめ
お付き合いを辞めるつもりはない、大切な企業であればあるほど。
掛け替えのない存在でありつつ、けれど顧問先が私自身から卒業できる状態まで成長することを願う。
自立を願う親のような気持ちで。
依存させるのではなく、自立させるようなコンサルタントとして、顧問先には接しております。