「秋田先生と会うと、元気が出るんです!」
と、たまにお会いしていたA社の社長さん。
私は、他の方にやる気を与えるモチベーターとしての能力が低くはないんだと思います。
決してメチャクチャ高いわけではないのですが。
なので、このように言っていただけることが、たまにあります。
ただ頻繁にではないものの数年に渡ってお伺いしていたんですが、このA社さん全く成果がでない。
というのも、こちらの経営者さん、全く行動しないんです・・・
やる気がないというわけではないんです。
中小企業の経営者さん、日々の実務だけとても多忙です。
新事業に回す労力や体力、時間、捻出するのは容易なことではありません。
A社社長も、日常業務でパッツンパッツンの状態でした。

ただ、毎回、私に会いたいから呼びたいと。
(変な意味ではありませんよ。笑)
こちら金融機関さん経由でお会いしていた件でして、申し訳ありませんが、こちらからしばらく相談はストップさせていただきたい旨、説明いたしました。
「社長が動かないと、私がアドバイスしても変わりませんよ。」
「今は、機が熟していないんじゃないですか」と。
中小企業診断士やコンサルタントと言っても、様々なスタンスがありますし、長い時間をかけてモチベーターの役割を存分に果たしていくというのも、素晴らしいスタンスだと思います。
ただ、北海道の企業だったので、現在関東にいる私には、時間的にも距離的にも寄り添う余裕はない。
であれば、モチベーターは寄り添うことが可能な人間を他に探したほうがいいかと思います。
■熱情の押し売り
私ね、若かりし頃、馬力が有り余っていた頃、そして結果を出したくてしょうがなかった頃、誤解しちゃってたことがあるんです。
企業さんにとって、私が真剣になればなるほどいいんだって。
ただ、私は企業以上に真剣になってはいけない。
マーケティングは、企業が真剣に取り組んで初めて、成果を出すことができるものです。

そして経営者さんや企業以上に自分が真剣になってしまうと、積極的に行動してくれないときに「なんで動いてくれないの!」って相手を責める気持ちになっちゃうんですよね。
コンサルは、経営者以上に真剣になってはいけないんです。
事業はあくまで経営者さん、その企業のもの。
熱情を持って取り組んでいる企業さんには、熱情をもってお応えしたいと思いますが、
優先順位的に、そのタイミングではマーケティングに熱情を持てていない企業に、コンサルタントが熱意の押し売りをするのは迷惑以外の何物でもありません。
行動できないのには、やる気がないやる気があるの分類だけではなく、個々の事情がありますので。
昔の自分の空回りに対する反省も含めた、企業さんとの接し方でした。